DX関連トレーニングの現役講師である上野 三由紀氏による「3分で読めるデザイン思考」コラムシリーズ第4回。
今回は、デザイン思考5つのステップのうち、アイデア出しのステップをご紹介いただきます。
皆さん、こんにちは。DX関連コースの担当講師、上野と申します。
3分で読めるデザイン思考、第4回は創造 (Ideate)のステップをご紹介します。
このステップでは、問題の解決策を生み出すためのアイデアを量産します。選択可能なアイデアの幅を最大限に広げることを目指し、唯一/最善の解決策を見つけようとしないでください。何が最もよい解決策なのかは、テストのステップで得るユーザーからのフィードバックによって明らかにします。
ブレインストーミングの基本規則は、「良い悪い」の判断はしないこと (批判厳禁)/「自由奔放」を歓迎する/量を求む/結合と改善を求む (相乗り歓迎) と言われますが、今回はデザインファームIDEOのブレインストーミングを成功させる7つの原則をご紹介します。
〇 トピックに忠実であれ (Stay Focused on Topic)
〇 ぶっ飛んで良し (Encourage Wild Ideas)
〇 すぐに判断・否定するなかれ (Defer Judgement)
〇 会話は一人ずつ (One Conversation at a Time)
〇 質より量を (Go for Quantity)
〇 描け、視覚的であれ (Be Visual)
〇 他者のアイデアに乗っかれ (Build on the Ideas Others)
アイデア出しの最初の段階で「ぶっ飛ぶ」のは大切です。発想の枠を取り払うことにつながります。
さらに「視覚的」であること=絵に描くことも効果的です。「1枚の絵は1000の言葉に勝る」という言葉もあります。
SCAMPERは創造性開発研究家のボブ・エバールが、ブレインストーミングを生み出したオズ・ボーンのチェックリストを改良したもので、7つの質問に答えてアイデアを強制的に量産するフレームワークです。
〇 Substitute (代用する):他のものや方法に一部や全部を入れ替えるとどうか
〇 Combine (結合する):2つ以上のもの(目的、用途、素材、サービスetc.)を組み合わせるとどうなるか
〇 Adopt (応用する):既にあるアイデアを応用するとどうなるか
〇 Modify (変更する):形や目的を変更したらどうなるか
〇 Put to other uses (他の用途に使う):今あるものを再利用すえる方法はないか (子どもや高齢者など他の人に使う、他の業界で使う、etc.)
〇 Eliminate (省略する):一部を削除したり最小化したりするとどうか
〇 Rearrange (再編成する):順番を変えてみたり、並べ替えてみたりするとどうなるか
さて、深くユーザーに共感し、本質的 (だと思われる)ユーザーの問題を定義し、問題を解決するための多くのアイデアを考えてみたけれど、どのアイデアも、そんなに画期的には思えないとしたらどうでしょう?そこでガッガリする必要はありません。
新しい製品やサービスを開発する際に重要なことは、導き出したソリューションよりも定義した問題です。画期的なソリューションであっても、自分の課題を解決してくれない製品やサービスにユーザーはお金を払いません。ユーザー自身も気づいていない問題を探し当てることに価値があります。新規事業が差別化すべき点は、「そのソリューション、画期的!」ではなく、「その目の付け所、画期的!」という問題の部分です。
次回は、アイデアを検証するモノを作る「プロトタイプ (Prototype)」のステップと、ユーザーからフィードバックを得る「テスト (Test)」のステップをご紹介します。
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