• 2026.01.19
  • コラム

3分で読めるデザイン思考 ~最終回:プロトタイプ&テスト~

DX関連トレーニングの現役講師である上野 三由紀氏による「3分で読めるデザイン思考」コラムシリーズ最終回。
今回は、デザイン思考5つのステップの最終ステップをご紹介いただきます。

最終回:プロトタイプ (Prototype)&テスト (Test)

皆さん、こんにちは。DX関連コースの担当講師、上野と申します。
3分で読めるデザイン思考、最終回はプロトタイプ (Prototype)とテスト (Test)のステップをご紹介します。

プロトタイプのステップでは、アイデアを検証するための「モノ」を作ります。ユーザーは、まだ世の中にない製品やサービスの利用体験をイメージできません。検証するためには、実際に見たり触ったり経験をイメージできるモノが必要です。
早く失敗し、より早く学ぶ (Fail Fast, Learn Faster)が考え方の基本です。プロトタイプは完成品の見本ではありません。コストをかけず、素早く作ることを心がけます。

テストのステップでは、ユーザーにプロトタイプを体験してもらい、フィードバックをもらいます。このステップのポイントは、どのステップに問題があったのかを明確にすることです。問題定義から間違っていたのか、問題定義は良かったがソリューションのアイデアが良くなかったのか。
デザイン思考の5つのステップは一度で終了ではなく、何度も回して改善していきます。その意味ではテストのステップは最終のステップではなく、共感の前のステップと言えます。

ストーリーボード

プロトタイプには、ロールプレイ、スキット (寸劇)、動画、紙工作や模型、物理モデル (レゴ、3Dプリンタ)など様々なアプローチがあります。今回はストーリーボードをご紹介します。

ストーリーボードは、プロダクトやサービスの利用体験をイラストや画像を使って時系列にストーリー化する手法です。ユーザーが製品やサービスを利用している様子を、4コマ漫画のようなスタイルで表現します。絵を描くのが苦手な方には敷居が高いと思われるかもしれませんが、上手な絵である必要はありません。アイデアの概要が伝えることが目的です。
解像度が高いペルソナを設計しておくことが、効果的なストーリーボードを作るポイントとなります。


テストを実施する時のポイント

テストの目的はユーザーを知ること、プロトタイプを説明することではありません。答えが分っていると思う場合でも、理由を尋ねるのが重要です。
テストを実施する際の留意点として、説明し過ぎないこと/よく観察すること/体験したことを聞くこと、などがあります。
複数のプロトタイプを用意するのも良いアプローチです。「Aは良いか悪いか」という絶対評価ではなく、「AとBのどちらが良いか」という相対評価が可能となります。一般に人間は相対評価が得意な傾向があり、評価する時の心理的負担も少なくなります。

アイデアを評価するための「3つのレンズ」

デザインファームIDEOは、アイデアを評価する方法として、有用性、持続可能性、実現可能性の「3つのレンズ」を提唱しました。最高のアイデアはこの3つの条件を満たす、というものです。
有用性は、人に提供できる価値がどの程度なのかを示します。デザイン思考がイノベーションへ取り組む際の基点となるものです。
持続可能性は、製品やサービスを継続して提供できるかどうかを示します。長期的な視点でのビジネス上の採算や、社会・環境に対する影響の考慮を含みます。
実現可能性は、アイデアを実装するためのリソースが確保できるかを示します。財務的制約、技術的制約、組織内の他の事業分野への影響などを含みます。

「3つのレンズ」で評価する際、よく使われるツールにビジネスモデルキャンバスがあります。また、サービスを提供する側のバックヤードまで含めて設計するサービスデザインの考え方も地方自治体を中心に注目されています。

「3分で読めるデザイン思考」は今回が最終回ですが、機会があれば関連分野についてもご紹介してまいります。ご覧いただきありがとうございました。

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